イギリス版DMV

http://response.jp/issue/2004/0903/article63411_1.html
JR北海道が、実線走行を始めたと思ったら、今度はイギリスです。
パクりじゃないか、と言いたくなったわけですが、よくよく見ると、これはトレーラー…。
マイクロバス(日産シビリアン)を無理やり改造したJR北海道のものとはわけが違います。
それにしてもデカイ。確かに、トレーラー方式なら、ボギー車と同じ形態なので、全長は長くできますが…。ローカル線に二階建ては要らないのでは?
まぁ、向こうのローカル線と日本のローカル線は大分違いますが。
日本のローカル線の場合、キハ40系列などと一緒に運用するわけなので、マイクロバス程度の大きさでいいのでしょう。今年度中には100人以上の定員を持つ車両を発表するとのこと。
しかし、今ひとつわからないのが、量産車の形態。試験車のように、市販のマイクロバスを改造するのか、それとも既存車をベースに新規に開発するのか。一鉄道ファンとしては、新規開発してもらいかったりしますが、開発費にどれだけ掛かるかが問題でしょうな。
さて、もし新規開発になったとして、鉄とクルマの両方の属性を持つ私が気になるのは、いったいどこが作るのか、ということ。バスを作れるメーカーは、富士重工業が鉄道、バス部門から撤退した今、いすゞ、日産、日野、日産ディーゼル三菱ふそうの5社。
とはいえ、鉄道車両にはATSなどの保安装置が必要となり、鉄道法にも適合しなければならないので、鉄道車両メーカーと鉄道会社(この場合は、もちろんJR北海道)の共同開発しなければならない。
これでスバルが伊勢崎工場をバス製造に使ってれば、話は楽だったろうに…。鉄道車輌メーカーに一番近自動車メーカーだと、三菱ふそうがありますな。系列の三菱電機が機関車を作ってます。代表形式は、EF510、およびEF210。ただ、三菱の採用は一連の報道で厳しいでしょう。
一番妥当なのが、試験車でもあるシビリアンの開発元である日産。ただ、180プロジェクトの真っ最中。ここまで手は回らないだろうなぁ。
もうひとつ気になるのが、その名前。鉄道車両ならキハ○○○となるのだろうが、DMVはナンバーも付くクルマでもある。うーん。わからん。
ついでに言えば、ナンバーを持っているということは、車検も通さなければならないわけで。現状では形式欄はベース車の形式+改造車を現す「改」が書かれている。くどいが、鉄道車両でもあるだから車籍も必要。
…考えるだけで頭が痛くなってきた。
車輌の開発よりも、認可の取得のほうが難しいかもしれない。クルマ、鉄道の管轄が両方とも国土交通省であるのが、唯一の救いかもしれない。

自動車が持つドアトゥードアのコンセプトに、鉄道もつ定時制、安全性を兼ね備えたDMV。一見完璧な出来ともいえるコンセプトカーながら、やはり問題点は存在する。
鉄道ジャーナル誌によれば、駆動に使用するタイヤの磨耗が激しいのだそうだ。路面と異なり、細いレールの上を走行するため、タイヤが持たないのだそうだ。ってことは、イギリスの奴はどんだけの荷重がかかるんだろうか。
DMVは、負担がかからないよう、後輪には設置面積が最小限となるように配慮されているが、現状の技術では、マイクロバス程度が限界とのことだ。
さて、もうひとつ問題がある。鉄道の建築限界は3000mm。
実際は、209系クラスがホームの限界なので、2800mm程度とといったところ。対して、マイクロバスの全幅は2010mm程度。これでは、鉄道の駅に着いたときに大きな隙間が出来てしまう。まぁ、山形、秋田新幹線のように、ステップを装備すれば済むっちゃぁ済むわけだが。

タイヤ、全幅、車検、車籍、認可…先は厳しそうである。